翳りの
予感

夕闇

降り立ったいつもの駅

改札出て、帰路



真上を流れる群青の時間が

今日を透過して仄白んでいた



この街の最果てはオレンジ

あの日 僕が帰った場所へと 追風(おいて)が過ぎてゆく


それは稚(いとけな)い顔で

薄紫の余情を棚引かせて


するり

ほどけるように 髪を撫でる残り香は

ふい とこちらを振り返り

それでも立ち止まることはない



電線の 何処までも繋がり 交差するさまを見て

明日も 今日が来ればいいと

冷えゆく空に希求していた