見上げた青が 眼底に溜まって

乾いた表面に波を映した

ゆらめくのは いつかの憧憬


総ての意識を喪失した穹窿

きらきらと歩いている記憶


本当はこうなる筈と

贅沢な私は立ち尽くす

脆弱な皮膚を纏って

幾創を被って



細めた目蓋に青が凪いで

儚い睫毛が時を紡いだ

さざめくのは いつもの風景


総ての仕合わせを混ぜ合わせた波間

ざわざわと散去(あら)けていく姿


なにも分からなかったと

無知な私は立ち尽くす

無理な笑顔で

君は

幾創を被って